SEMINAR

リチーミングイメージ
内容
リチーミングの4つの特徴
モチベーションを高める5つの要素
研修概要

リチーミング

≪ リチーミングの4つの特徴 ≫

数人単位のチームであれ、数百人単位の部署であれ、部下を持つ人であれば、仕事をする上で「業績アップ」「チーム間の関係改善」といった目標があるでしょう。
リチーミングは、それらの目標を達成するチームコーチングの手法です。

心理学の理論にもとづいて順番に組み立てられた「12ステップ」を続けることによって、部署やチームのメンバーがゴールに対して自然にモチベーションを上げ、問題解決力や協力体制を築くことができます。
カウンセリングやコーチング、コンサルティングには、必ずゴールを設定して、そのためのステップを踏むというプロセスが入っています。

しかし、リチーミングには、他のプログラムとは全く違う特徴があります。
リチーミングに存在する「12ステップ」は、問題の原因ではなく、希望や成長に焦点を当てる解決志向をベースに構築されています。

ステップを順番に進めることで、自然に参加者各人の意識が変化するようデザインされています。
大きな4つの特徴をご説明しましょう。


【特徴その1】
『おおくの希望が見え、「楽観的な考え方」が身につく』

イライラしたり、意気消沈しているような人も、リチーミングのステップを進めるにつれて希望をもち、楽観的に構えられるようになります。


【特徴その2】
『モチベーションを高める』

ゴールを設定し、達成するための計画を立てることは、比較的容易です。しかし、それを実行しようというモチベーションがなければ、実行することは不可能です。リチーミングでは、ゴール達成のためのモチベーションを上げる要素がステップに組み込まれているので、気づかないうちにモチベーションを高めていくことができます。


【特徴その3】
『参加者の想像力をかき立てる』

リラックスした雰囲気で行われるのもリチーミングの大きな特徴です。参加者は誰も非難されることがないため、自分の立場を守ろうとする必要がなくなり、その分のエネルギーを創造力に注ぐことができます。ゴールに向けての新しいアイデアをもっと出そう、それを皆と分かち合おうという意識が増していくのです。


【特徴その4】
『参加者の人間関係が良くなる』

リチーミングでは、変化は皆で協力して起こすものという考え方をします。たとえ個人の取り組みであっても、変化を起こすためには周囲の人々のサポートや励ましが必要です。一人で孤独にゴール設定や達成をすることは、リチーミングではあり得ません。同僚や友人、家族などがリチーミングのプロセスで大切な役割を果たすことになるのです。そのため、リチーミングのステップを進めていくと、最終的にゴールが達成できるだけでなく、人間関係まで良好になるという意外な副産物まで手に入れることができます。実はこの副産物は、参加者が一体感を持ち、良好な人間関係を築くには必要不可欠だと考えられており、そのためのプロセスがリチーミングのステップには含まれています。



≪ モチベーションを高める5つの要素 ≫

管理監督者にとって、部下のモチベーションの維持は重要な課題です。チーム全体の士気が低く生産性も低下するという事態は、できることなら経験せずに済ませたいことでしょう。

士気を上げるためにチームのゴールを掲げることは、多くの職場ですでに実践されています。しかし、掲げたゴールがどれだけ立派なものであるとしても、部下のひとりのモチベーションが低いままでは、実現の可能性は低いと言えます。

ゴールを決めること自体はそれほど難しいことではなく、本当に難しいのは、実際に達成するために必要なエネルギーや決意を高めていくことなのです。では、参加者全員がモチベーションをもち、達成の決意を固めるには、何が必要なのでしょう?

リチーミングでは、独特の考え方でモチベーションを解釈しています。家を掃除するというゴールから、月にロケットを打ち上げるというゴールまで、どんなゴールであっても、モチベーションアップのためには、次の5つの必須要素があると考えます。


【①ゴールが押し付けではないこと】
モチベーションを高く保った状態でゴールを達成するには、まず参加者一人一人がゴールは自分で決めたものだと感じることが必要です。他人の命令ではなく、自発的なものであること、そこまでいかなくても、ゴールを決める際に自分も参加していたという感覚をもつことが大切です。このため、リチーミングの初期の段階では、一人一人の「理想像」を引き出し、そこに到達するための手段としてゴールを導き出すという方法をとります。

【②ゴール達成に意義を見出すこと】
参加者全員がゴール達成に意義とメリットを見出し、それらを実感できていることはとても重要です。思いつく限りのメリットを挙げ、話し合いの時間を多くとるのもリチーミングの特徴です。

【③ゴールを達成できる自信をもつこと】
ゴールが自分たちの力で達成できるという自信も重要です。このため、リチーミングでは最初に描いた「理想像」に近づくための具体的なゴールを比較的容易なものに設定します。また、達成のために必要なスキルやサポートが周囲にあることを確認して、モチベーションをさらに高く保ちます。

【④ステップを通して自分の成長を実感できること】
ゴール達成までのプロジェクトに取り組む間、参加者が自分の成長を実感すると、モチベーションの低下を防ぐことができます。リチーミングは、各人やチーム全体の成長や成功に着目するようデザインされています。この作業を怠ると、イライラしたり、気分が沈んでしまったり、モチベーションが下がってしまったりする危険性があります。

【⑤失敗する準備が事前にできていること】
ステップを進んでいく中で、立ちはだかる壁や失敗に対する準備を事前にしておくことは大切です。見過ごしがちな点ですが、準備ができていないと、壁にぶつかって逆戻りしてしまい、それをきっかけに決意が揺らいで挫折してしまうことになりかねません。


リチーミングの手法は、パンを焼くのに似ています。
必要な材料を混ぜ合わせ、生地をこねたら発行させ、そこで初めてオーブンに入れて焼くことができます。

パンを焼くためには、まず自分がどんなパンを焼きたいのかを決める必要があります。
それが決まったら、必要な材料を混ぜ合わせて生地をこねます。
この部分は今後どのようになりたいかを思い描き、どんなゴールを達成したいかを考えるプロセスにあたります。

ゴールが定まったら、時間をかけて生地を発行させます。
つまり、ゴール達成に必要なモチベーションを高める作業です。

モチベーションを高めること、パン作りで言うなら生地を発行させることは、リチーミングの中心に位置します。
このため、行動を起こす前にモチベーションを高めるものがないかを探ります。

ゴールを達成するための行動は、パンをオーブンにいれるようなものです。
モチベーションは、ここではオーブンの火のような役割を果たします。
パンをきちんと焼き上げるには、モチベーションを高めて保持していくことが必要なのです。

リチーミングは、ゴール達成の手法ではありますが、このプログラムにはそれ以上のものが込められています。
ステップを踏むごとにモチベーションを高め、ゴール達成に関係する人たちの問題解決力や協力関係を強めます。



(Handbook of Reteaming 強いチームをつくる技術/ダイヤモンド社)
開始前に全体を把握する
12ある各ステップを細かく説明する前に、プログラムの全体を確認します。
あらかじめ大まかな流れを把握しておくことで、各ステップで行うワークが次のステップに繋がっていることが実感できます。
具体的な理想像を描く
リチーミングのステップは、今後について想いを馳せることから始まります。
数年後、プライベート、家庭、仕事などについて、生活に満足している自分自身を想像します。
ここで描く将来の理想像が、この後のステップの土台になります。
このステップでは、なるべく詳細な部分まで具体的に思い描くことが重要です。
ゴールを決める
次に、理想像を現実のものにするために役立つゴールを設定します。
ここでいうゴールは、現状から変える必要のある具体的な物事、身につけたいスキル、完成させる仕事などを指します。
このステップでは、複数のゴールを立てますが、先に進む前に、一番初めに達成したいゴールを一つ決定します。
サポーターを募る
ゴール達成には、周囲からの協力やサポート、励ましが必要です。
様々な場面で協力してくれる可能性のある人たちをリストアップする時間を取りましょう。
リストに名前が挙がった人たちに自分のゴールを伝え、達成まで助けてもらえるようお願いします。
ゴールのメリットを探る
ゴールを設定し、サポーターが決まったら、次にゴール達成のメリットにつて考えます。
その際には、自分自身にとってだけではなく、サポートしてくれる人たちや、その他の周囲の人たちにとってもどのようなメリットがあるのかまでを、視野を広げて考えます。
既にできていることを見つける
今回初めてそのゴールを思いつたというケースは稀であり、既に努力し始めていたり、実際に行動し始めていたりすることがあります。
このステップでは、既にできていることを徹底的に検討します。
今後の成長を思い浮かべる
リチーミングでは、ゴールに向けて少しずつ前進していくことが大切なプロセスだと考えます。
着実に一歩一歩近づくために、順調に進んで目標期間内にゴールを達成できたら…と想像し、到達までにどんな変化や成長があるかを明確に描いていきます。
困難を認める
どんなゴールであれ、困難で乗り越えなくてはならない部分があります。
次のステップで希望をもてる理由を探る前に、ゴール達成がそんなに簡単ではない理由を探ります。
なぜ難しいのか、どんな危険な可能性があるのかなどを事前に考え、心の準備をします。
自信の根拠を見つける
ゴール達成は簡単なことではありませんが、不可能でもありません。
自信を高めるために、自分の周りにある役立つものや人物などをリストアップしてみます。
また、自分がきっとゴール達成できると思う根拠となる情報を集めます。
誓いを立てる
ゴールに向けて前進するためには、行動を起こす必要があります。
リチーミングでは、全体の計画を立てるよりも、ゴール達成のためにとる第一歩となる行動を決め、ゴールについて理解し、サポートや励ましをくれる周囲の人たちに公言することのほうが重要と考えています。
リチーミングでは、これを「誓い」と呼んでいます。
まず、はじめにとる行動を皆に公言して実行の誓いを立て、できるようになったら次の行動についての誓いを立てるというように、一歩一歩次にとる行動を周囲に公言し続けます。
記録をつける
リチーミングにおいて、自分の成長を追うことは非常に大切なプロセスです。
自分が前進した部分に着目するという独特な方法で成長記録をつけていきます。
自分の取り組みを振り返り、少しでも前進したと思えるサインを拾い出し、どんな些細なことであっても成功した部分に着目します。
自分が前進していることに気づけるように、リチーミングを行っている期間、自分の成長記録をつけていきます。
失敗に備える
ゴールに向けて徐々にステップアップしながら次の行動を決め、自分の成長を観察していく途中で、自分が望んでいたように進展していないなと悩む場面も生じます。
様々な壁にぶつかることもあります。
壁にぶつかったときに、毎回落ち込んでいては先に進めなくなります。
どんな壁があるかをある程度想定し、壁にぶつかっても勢いを失うことなく対処方法を考えていくことが、成功するためにとても重要です。
成功を祝い、サポーターに感謝する
ステップを続けていくと、やがてゴールを達成したと思えたり、自分の進歩を誇りに思えたりするような地点に到達します。
これまでの過程を振り返り、何が役に立ったか、ゴール達成に影響していたかを分析します。
その際、自分を支えてくれたサポーターや影響を与えてくれた人が誰であったかを振り返ります。
そして最後に、ここまで助けてくれた人たちに感謝の言葉を伝えます。